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  • sansanpomirai

自分できめる(橋をわたる)

先月のさんぽのこと。


新年度になり、少しさみしくなっちゃったさんぽですが、

それでも毎回。いろんなことが起こり、

いろんな気づきや学び、感動があります。



さんぽでは、大人もこどもも

”自分できめる”

ということを大切にしています。



誰かに言われて決める、のもいいかもしれないし、

「みんながこうしているから」と決めるのもいいかもしれないけれど、


「僕はこう思う」

「わたしはこうしたい」

って自分で考えて決めた方が

幸せに生きられると思っています。



さてさて。



さんぽにきてくれている2歳児クラスのYくん。

緑道に小さな橋があって、手すりの裏側を渡ってみたそうにしています。

ここ、なぜかみんな渡りたがるのです(笑)


Yくんはお母さんに手伝って欲しいようです。


こういうとき、さんぽでは「はいそうですか」と

手伝ったりはしなかったりします。


手伝うのもいいかもしれませんが、

行きたがったはちょっと危ないところです。

手すりの外側なので、高さは最大1mを超えるくらいで

足場は20センチあるかな、くらい。

落ちると怪我をするでしょう。


危ないところで大人が手を貸してしまうと

あとあともっと危なくなったりする。

そんなことがよくありました。

”危険だ”って、深く感じられないからかな?



それでもきっとYくんは

お母さん手伝って欲しい。

このきもちは、Yくんとしてはあってるはず。

本当のきもち、かな。どうでしょうね。


なので

「お母さんに手伝って欲しいね」と気持ちには寄り添いつつ、、、


さてYくん、どうする??


・手伝ってくれないから諦める

・手伝ってくれるまで訴える

・とりあえずやってみる


なんでもいいのですが、

僕は彼が落ちても手が間に合うように、後ろに回りました。


で、かる〜〜〜くYくんの背中やお尻に触れてみました。


「僕が支えるから大丈夫!」とかじゃちょっとなく、

「ここにいるよ」とか

「みてるよ」「どっちもいいよ」って感じかなぁ。


振り返ると、僕が促したみたいで

自分で決めるを変えてしまったかなとも思うのですが。。。

でもなんとなく

気持ちを送りたいなって思った。

だから、ちょん、ちょんって触れてみました。

嫌がるかな〜と思いましたが

そんなに嫌がりませんでした。不思議。



そしたら、Yくんは


お母さんの手はなかったけど

自分でゆっくり、ちょっとずつ動き始めました。

高いところへと。


30センチくらい奥へ動いたかな。

パニックになる様子はなく、

でもどうしようか考えている?ような。

ちょっと足がもぞもぞしています。

(違うかもだけど)


僕の手も、ずっと触れてるわけじゃなく

ちょっと話していたりしましたが

彼は「不安です!」って様子もなくでした。



ただ、考えてる?

感じているような。



ちょっとして、

彼はもどってきました。


もうこの時点で僕はなぜか感動。

支えてなくても、自分の意思で決めて、

動いてみた。行ってみた。


そして泣いて助けを呼ぶでもなく

自ら歩いて戻ってくる選択をした。



彼は最近、よく「こわい」と言います。

言えるようになった、のかな。

もちろんここでも、ちょっと言っていました。


ほんとのきもちはどのへんかはわからないけど、

大人でも自分の背丈もある段差、しかも足場はせまい。

これは少なからず”こわい”かもしれない。



そんな中でも、行ってみた。

やってみた。



これってすごい経験だなと。

初めて、行けるところまで。

人の手を借りず、行くと決めて。




そして、無事に戻りきった。

戻り切る少し前くらいから

いい顔をしていました。



思わず「やったー!」と喜んだわたくし。

こういう瞬間は、なんか僕もうれしいのです。

「行けた!戻ってこれたね!」



この言葉が、彼にとってどうだったかはわかりません。

ほんとはもっと進みたかったから悔しかったのかもしれない。


でも、いい顔をしていました。

ドヤ顔ではないけど、「やってみたよ!」って顔?

「面白い!」って顔?どうかな。



大人が喜んでたら

彼は笑顔で両手を叩きはじめました。

やった、やったー!




その少しあとは、坂道のぼり。


お母さん曰く、「前は手をついてのぼれなかった」とのことで。

でも、僕もやってみてたら、

隣で同じようにいつの間にか登ってるYくん。


さらに気がついたら僕よりスタスタと

立って登ってるのです!


そして、


ゆっくりな僕や(笑)お母さんを

上で待ってくれてる感じ。

見守ってくれてる?


これまた感動。



お母さんの手を借りて、できることも素敵。

行きたいけど、行けないって感じることも素敵。

行きたいけど行けなくて、あきらめるも大事。

行きたくて、やってみてできなかったも素敵。

やってみて、できたも素敵。


ぜんぶいいし、どれでもいい。


”自分でできた”ことが素晴らしいというより、


彼が"自ら行く選択をした"ことが

なんだかとっても感動でした。



こうやって、ちょっとずつ

できなかったことが

できるようになっていく。



できない時の奇跡。

いましかない、できないという時。


そして

できるようになる奇跡。

変わることもあれば、変わらぬこともある。


その時々のきもちも、いつも違う。



そして今日のきもちがある。

今日の選択がある。



ちいさな、ちいさな一歩。

ちいさな選択かもしれないけれど、



自分で決めてあるいた数歩は

人生の中で大きな大きな一歩だと

僕は感じました。


Yくんは、どんな感覚を

感じてたんだろうなぁ。



いや〜〜〜〜

保育っていいな。


写真は、

手すりの穴からYくんが向こうを見ていて、

同じように見てみたら面白かった。


それを繰り返してたら

なんか面白かった絵、です(笑)


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