『さんさんぽ』って、どんな感じ?
ここでは、運営についての疑問や、
家庭と保育がどう連携していくのか?
などを書いてみました。
【ルールがありません】
さんさんぽでは、
『自分で考える』、『自分で動く』
を大事にしています。
子どももそうですが、大人の間でも
ルールや方法などで決められたことはなく、
誰かの意見だけが通るということもありません。
そのときに集うメンバーで、
その時点での”答え”を探していきます。
1つ1つの小さな出来事に
時間と気持ちをたっぷりかけて、
こつこつ積み重ね、味わっていく日々です。
たとえば、大事なおもちゃを
家から持ってきた子がいたとして。
指示命令はしないので、子どもに
「明日から持ってこないでね」とは言いません。
保護者さんたちにも、
「おもちゃは保育に持って来させないでください」
とも言いません。
【おもちゃを持ってこない】
という”ルール”にもせず、
【おもちゃは持ってきてもいい】
という”ルール”にもしないのです。
「持ってきてたよね。どう?」
「保育中聞いてみたら、
「○○だから持ってきた」って言ってたよ」
「別にいいんじゃない?って思うけど」
「せっかく外で過ごしてるのに、どう?」
「たしかにね。あ~、そういえば
今日こんな使い方して遊んでたなぁ」
「う~ん、明日どうしてみる?
もうちょっと聞いてみようかな」
「そもそも『さんぽ』の願いってなんだっけ?」
「本当はなんで持ってきたんだろ?」
こんなふうに、
1つのことについて大人もみんなで考えます。
「そんなのめんどくさくてできないよ~」
「保育者が決めてくれた方が楽なのに!」
と、思われる方もいるでしょう。
しかしそれでは
『人に言われたことをする』になります。
1つ1つなので大変ですが、
やればやるほどやみつきになっていきます♪
こんなところがテーブルになることもある(落ちました)
【子どもだけじゃなく、
大人もやります】
さんさんぽでは、
『自分事で考える』『自分で考える』
を大切にしています。
だから、子どもの育ちを他人事にしません。
子どもの姿をみて、大人も自分を振り返ります。
例えば過去の保育で、
子どもたちが昼寝をしてくれなくて困った
ということがありました。
当時の自分は、焦り、苛立ち、
本当に疲れ果てていました。
この焦りや苛立ちはどこからくるのか?
と自分をみていくと、
「他のスタッフの目線や
評価を気にしている自分」がいたり、
「昼寝をしないと、保護者に迷惑がかかる」
という自分がいたり、
自分自身の作り出した不安と怖れに
飲み込まれていることに気がつきました。
子どもの姿のあらゆる場面で、
1つ1つ「自分はどうか?」と見ていきます。
そうすると面白いくらいに
出来ていない自分に気がついたりします。
自分の育ちと子どもの育ちが
“同じところ”にいたんだ~ということに、
気がつくこともよくあります。
でも、
できてない自分を責める必要はありません。
ただただ、
今の自分は“そこにいるんだな”と受けとる感覚。
大事なのは、
子どもの育ちを自分ごとで考えることです。
やればやるほど、心?いのち?魂?
うまく表現できませんが、
“生きてる心地”が戻ってくるような
そんな感覚がしてくるのです~
”「たんぽぽ」が好き”な感覚、もっと教えて!
【家庭と保育。
こんな感じで連携してます】
さんさんぽでは、
保育と家庭との連携、各家庭同士の連携を
ものすごく大切に考えています。
サービス業のようにお子さんをお預かりして、
良いことだけをお伝えしたり、
またはその日の子どもの様子が全く分からない、
みたいな状況ではありません。
親にとって嬉しい出来事も辛い出来事も、
保育者の失敗や反省も、全部お伝えします。
それは、子どもたちや家庭、
保育者のことをお互いに評価したり
○や×をつけるためではありません。
子どもたちが“いま、どうなのか”、
“いま、どんな育ちなのか”、
そして親や保育者が“いま、どうなのか”、
“その子をどうみているのか”
というところを共有するためです。
保「今日、こんなことがあってさ~!」
親「あ~、そういえば家でこんなことがあった!」
親2「なんでなんだろうね?うちはこんな感じ」
親「う~ん、私が○○だからかな・・・」
保「ふむふむ。ちょっと聞いてみる?
ねぇねぇ、どうして○○したの?」
子「それはね~、○○△・・・」
保「あーなるほどね!だってさ!どう思う?」
親2「そういえばうちの子が
前にこんなこと言っててさ・・・・」
親「えっ!?そうなの?家でも聞いてみる!」
保「じゃあ、明日また教えてね~。
こっちでもやってみるから」
というように、
自分の家庭だけでもなく、保育者だけでもなく、
ひとりひとりの育ちをみんなで共有していきます。
だれが親子かわからない、という幸せ感
【”困ったこと”は、どんとこい!】
さんさんぽでは、”困ったこと”を大歓迎します。
服や靴がドロドロになるなんてのは当たり前。
大切なことは1度しか言わないので、
忘れ物もするでしょう。
時には活動中に
モノを無くすことがあるかもしれません。
他にもたくさんたくさん、
“困ったこと”が起こるでしょう。
小さなことから大きなことまで。
大事なのは、困ったことから何を学ぶか、
どう感じるかです。
困ったことが多ければ多いほど、
体験する機会が増えると考えています。
困ったことが起きても、
大人がなんでもかんでも解決しません。
気持ちにはとことん寄り添いますが、
行動には寄り添いません。
だからさんさんぽは厳しいし、
決して楽ではないと思います。
困ったことが起こると、大人は内心
「(よっしゃーきたー!)」となったりします。
もちろん、
同時に焦りや不安も出てきたりしますが(笑)
例えば、
大切にしてたドングリが無くなったとして。
子「え~~~ん!持ってきて~~!」
保「無くなって悲しいね。どうしよ?」
子2「じゃあ、○○したらいいんじゃない?」
保「あ~○○したらいっか!」
子「いやだ~~~!」
保「あ〜やだよね〜どうしようねー!」
これを繰り返していくと、
すごいこと(表現が難しい)になります。
ドングリを無くして泣いてたような子が、
泣いてる子がいたらそっと近づいて
「どうしたの?」と心を寄せるようになるのです。
(そうするから良い子、ではない)
小さな小さな日常体験の積み重ねで、
大きな“何か”が育っていくと信じています。
”困ったこと”は、実は宝物なのです~。
小さいうちに、いっぱいいろんな体験しとけー!
と思っています(笑)
服だってもちろん汚れるけれど。
【子どもたち、
すごいこと言ってませんか?】
子どもたちから教わったことはたくさんあります。
というか、保育のことはほぼすべて
子どもたちに教わったと言えるかも。
大切なのは気持ちだということ。
すべての存在がつながっていること。
存在否定しないということ。
(根っから悪い人は存在しない)
自分を育てるのは自分だということ。
どんな存在にもいのちがあるということ。
どんな存在にも神さまが宿っているということ。
ここを選んで生まれてきているということ。
大人の成長を願っているということ。
人を信じるということ。
人を守るということ。
心に寄り添うということ。
こんな子どもたちが、
年々増えてきている気がします。
子どもをコントロールすることを
手放せば手放すほどに、
子どもたちはいろんなことを教えてくます。
ご家庭でも「えっ、そんなこと言うの!?」
ってことが、何度もあるんじゃないでしょうか。
子どもの言葉を信じるかどうかは、
大人ひとりひとりが決められます。
信じてみようとすると、子どもたちは
もっといろんなことを話してくれるようになる。
そう感じます。
子どもたちは本来、とても暖かいところにいます。
いつも愛でいっぱいです。
どんなにお母さんに怒られても、
いつもお母さんのことが大好きです。
そんな子どもたちを、
ありのままのその子として、
自分で育つ力を信じる。
1つ1つの小さな出来事に、
大人も子どもも心をゆらして生きていく。
そんな人たちが増えたら、
世界はどんな風になるでしょうか。
子どもたちは、
いつでも大人の幸せを願っています。
家族の健康と平和を願っています。
だから、大人、力を抜いて、がんばりましょう~。
「そんな遠くから見つけたの!?」なんて、日常茶飯事